| 1973年10月中旬撮影。キスムの町はビクトリア湖の東に面した風光明媚な町である。道は湖畔に向かって緩やかな下りの傾斜を帯び、キスムホテルから眺める湖は静かで実に美しい。ナクルを根城にしていたため当地での宿泊は短かったが、印象に残るホテルである。木造建屋の古めかしいホテルは白ペンキ塗りで手入れが行き届き、木調を主体とした十九世紀の大英国統治時代の名残をとどめる。風通しのいい入口を入ると、磨きぬかれた板張りのフロアーが歩くたびにキュッキュッと心地よい。年季の入った調度品、レストランのテーブルに掛けられた真新しいテーブルクロス、セットされている洋銀製スプーン、フォーク類からも栄華を誇った歴史がうかがえる様だ。そのホテル部屋からヴィクトリア湖の夕日を望む。 |
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