＜アズニヴ嬢との再会＆便り＞

　これは後日談だが、勤勉で知られるアズニヴ嬢が当プロジェクトの終了後、日本への留学を果たした。何でもヨルダンの日本大使館筋の紹介と、面倒見のよいカラク事務所長NさんやTさんを頼って日本留学を実現した。岡山大学に席を置く彼女は時折上京してはNさんをはじめヨルダンで苦楽を共にした人たちと逢っている。「砂漠と農業」の専門課程とかで、彼女は四〇才近くで博士号を取得した。また、ヨルダンの皇太子が来日した際、通訳の大役を担ったとのことである。岡山大学を卒業後、帰国することなく、某コンサルタントに入社、何年かの後、某社の海外関連会社に入ったと風の便りに聞いているが、その後は知らない。だが、人それぞれの運命と言うか人生は、本人の努力は勿論だが、何かをきっかけに大きく変るものである。もしもヨルダンに当プロジェクトがなかったら、彼女をプロジェクトの秘書として雇われなかったら、日本に来ることもなく、ヨルダンの片田舎町？で平凡な人生を送ったであろうことを思うと、なにか不思議な運命を感じる。勝手ながら、そう思うこの頃である。

”遥かなるアフリカ＆中東の思い出、風景写真集”は、今回の「カラク城」記載を以て終了と致します。2017/1/13