パンク修理の為、先ほどの村で時間を浪費したが、三時間ほど走るうち山間の雑木林を通して山頂に城壁を配したカラク城が目に入る。カラクの街入口手前の小さな橋を右手に折れ坂を登ると山肌にへばりつく家々が密集、入り組んだ坂道がそれらを結ぶ。いわゆる城下町のカラクは人口一八〇〇〇の地方最大の街である。我々は頂上城跡の膝元まで登り詰め、予約済のレストハウスに荷を解いた。レストハウス裏手になる階下のレストランは崖っぷちに位置し、今来たばかりの下界を見下ろす。見事なパノラマをバックにビールで喉を癒す。 カラク城は、旧市街の狭い坂道を進む奥手の丘の頂上に聳え立ち、四方八方見晴らしが利く、外敵に対し防御性の高い立地条件が整った場所にある。 |