ひと昔前の米ソ冷戦時代、シベリア上空はソ連邦国防上の領空侵犯となるゆえ、ヨーロッパ便は必ずアンカレジ経由の北極回りでした。１９７０年代初頭、ＪＡＬ便も北極回りが就航され「北極通過記念証」など記念色紙を発行していた時代です。
当時、アンカレジ空港内には３メートル余の巨大な北極熊の剥製が飾られ、日本およびヨーロッパからの発着便で空港ロビーは大盛況でした。土産品にエスキモーの人形やアザラシの縫ぐるみなどが並び、また、日本では外国製洋酒に高い関税が課けていたため、免税洋酒を買込む魅力もアンカレジにありました。しかし、その後モスクワ経由のヨーロッパ行きが就航されるようになると、いつしか我々の記憶から忘れ去られる運命にあった様です。
<アラスカの歴史>
１３５年前、アメリカ合衆国がロシアから７５０万ドルで購入した話は有名ですが、１７４１年、ベーリング（デンマーク人）がロシア政府の命により初めてアラスカを探検しています。その時、持帰ったラッコの毛皮が欧州人の興味をそそることとなり、高価で売買されることから１７８４年、アラスカに最初の植民地を建設、毛皮獲得の独占企業をシトカに開設しました。しかし、乱獲と環境変化で衰退、アメリカ合衆国に売却することとなった。
１８８０年金鉱発見、続いて１８９９年と１９０２年相次いで金鉱が発見せれ、アラスカにゴールドラッシュ時代が訪れる。