画用紙の下隅には１９６７年１２月２４日とあることから、３５年前の我が家で、幼い子供たちとささやかなクリスマス・イブを祝った時、画いたものである。
改築で今はなくなった四畳半の部屋に、ソニーの９インチ・テレビが窓辺に置かれていた。それに見入る兄妹、クリスマス・プレゼントのお菓子だろうか、何やら手に持っている。
当時、我が家のテレビは白黒であった。と言っても、その３年前の東京オリンピック（１９６４年）の頃、やっと、世に出だしたカラーテレビは、当時安サラリーの半年分の値段で、一般庶民には手の届かない高嶺の花であった。だが、走査線の数も荒く色ずれも酷い代物であった。
多分、子供の番組は月光仮面、仮面ライダー或いはひょっこりひょうたん島などである。

冬の暖房と言えば、コタツ程度で、今日の様に部屋中を暖房しているのと違い、子供たちに厚着をさせ質素に、つつましく暮らした時代でもあった。
テレビの置かれている出窓には、冬至を過ぎたばかりの夕暮れの寒気がガラス越しに、部屋の中のささやかなクリスマスツリーの灯かりが反射している。

<ひとり言> 未完成のスケッチを３５年ぶりに取出し、この機会にパソコン絵画で完成させようと思いついた。
黄ばんだ画用紙にクレヨンで色を塗った部分は半分程度、出窓のTVが置かれている台下やカーテンの模様色彩などの細部はどうなっていたのか、昔の記憶と白黒写真を頼りに進めた。だが、どうしても判らないのがカーテンの模様と色であった。さんざん思い迷った末、女房が当時のカーテンの切れ端を探し出し、３５年ぶりに完成させた。、、、みんなに乾杯！

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