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これが問題の「完全復刻版」ラストシーンです。 ”さらば宝島 !!”と、デッキから手を振り、島との別れを惜しんでいるところで終わっています。 時代錯誤的な帆船（海賊船）と、現代の船が出会うというのは、完全主義者の手塚治虫とって、どうしても気になったのでしょう。
草案通り夢オチにすべく、改定版では、島を離れると共に、犬とピート少年が深い眠りに入るのです。 夢の中、突然、犬が”ピートくん、ピートくん”と人間の言葉を喋り始めるんです。 ぼくは、犬じゃないんです。パンと言う妖精です。また、大冒険の海賊・宝島・ターザンとの出会いもお終いと犬が言うんです。
更に、犬のパンは、この様に言うんです !!もうそろそろう妖精に戻らなくちゃ!! 困ることは、動物は検疫が通らないし、宝物は関税が掛かるし、バロンさん（ターザン）は旅券がないので、不法入国になるしな、弱ったな！ じゃ、お別れだね。キーン、ワン公いちゃった！
妖精のパンは、夜空へ消えていった 我に返ったピート少年は、甲板に寝ていた動物たちも、宝の箱も、バロンさんも、みーんな消えちゃった？！ 船長さん知りませんか？みんな消えちゃって居なくなってしまった、、、？ 何のことかさっぱり分からんねぇ、夢でも見たんじゃないか、ワハハハ
ピート少年は、船長室に置かれたビンの中に帆船の模型を見つけ”海賊船だ！”と、懐かしそうに見入り、ボアール号と呟いた。 これが、夢オチの延々１２ページに亘り原案からカットされたストーリーだったのです。