現在イラクリオン考古学博物館に展示されている壁画の小断片、「パリジェンヌ」と呼ばれる若い女性のプロフィルです。これが何と紀元前１６世紀と云うことに、先ずは驚かされますね。現代にも通ずる素晴らしい美人、構図と色彩感覚が印象的です。２０世紀の巨匠ピカソも顔負け、日本では縄文時代後期と云うことから更なる驚きです。

この壁画自体、極めて小さな９個の断片で発掘されたものを復元したフレスコです。
現物は色褪せや部分的欠損など見受けられましたが、修正を掛け、当時オリジナルに最も近い色彩を再現してみました。

宮殿西壁から発掘されたこのフレスコは先史時代、神々を祭る祭祀の一場面の様です。
フェスティバルの奉仕者として指名された巫女、首に巻かれた聖式の結び目をつけた若い彼女の横顔、そしてシースルーにも似たドレスが素晴らしいですね。
丁度鍵穴から覗いた様にも見える小断片、「パリジェンヌ」に相応しい彼女が見つめる先には何があるのでしょう。

<メモ>前号掲載のクノッソス宮殿「王妃のメガロン」観光とイラクリオン考古学博物館見学を足早に済ませた我々は、４月６日午前１１時半クレタ島を離れ、いよいよルネッサンス号最後の寄港地サントリーニ島へと向かいます。

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