夏休みが来ると近くのジャジャ川に泳ぎに行く。川の正式な名前は知らないが、この水門の音がじゃーじゃー音がするので、子供たちの間ではジャジャ川と呼んでいた。
この辺は水田の農業用水として管理されており、夏場は我々の独占場となる。水質もよく水深･水流とも危険は感じなかった。
赤フンが我々の憧れだった。当時水泳パンツより、フンドシであった。赤色のフンドシは、我々の間で幅を利かせた。

その様な中、いつものお昼頃、ジャジャ川から帰宅するとラジオの前に両親が正座し、近所の人も交えて、異様な雰囲気だった。
ラジオから流れる声は、初めて聞く天皇陛下の玉音放送であった。「戦争は終った」と父は短く言った昭和20年8月15日の終戦日のことである。

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